通常ヒトの胃は胃酸があり、細菌が生息できない と考えられていた。 そんな常識を覆した菌、それが「ピロリ菌」である。 なんだか可愛らしい名前だが、この菌はウレアーゼといわれる酵素でアンモニアを生成し 胃酸をアルカリ性のアンモニアで中和する(中和は中学の理科で習ったあれのこと)ことで 胃の中でも元気に活動している。
この厄介かつ”したたかな”な細菌は胃炎や胃潰瘍、胃癌などの病気を引き起こす。
胃炎の約60% , 胃潰瘍の80% でピロリ菌が陽性であったとの報告がある。
World J Gastroenterol. 2005 Feb 14;11(6):791-6.
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
感染率
日本でのピロリ菌の感染者数はおよそ6,000万人と推定される。 10~20代では10%前後 50代以上の人では40%程度 60歳以上では60%程度 の感染率である
つまり病弱な人にいるとかではなく
普通の健康 そうな人にも感染している
国立国際医療研究センター国府台病院 病院長 上村 直実 「ヘリコバクター・ピロリ除菌の保険適用 による胃がん減少効果の検証について」厚生労働省が公開するPDF資料 より抜粋
2. 胃癌との関連
1993年、世界保健機関(WHO)がピロリ菌を発癌性物質に指定して以来、ピロリ菌は胃癌の最強の危険因子 とされている。(一部胃癌を除き、原因の90% を占めるとされている Best Pract Res Clin Gastroenterol. 2014;28:1107‐1114. ) 「胃癌は感染症である」と唱えている医師も多いが、これはあながち誇張された表現でもないのだ。
では、どれくらい危険なのかというと、、、
ピロリ菌未感染者と比較し感染者の胃癌リスクは 日本人は15倍以上 、海外では20倍以上 とされている
H,pylori感染の診断と治療のガイドライン 2016改訂版
正直初見で見た時は引いてしまった。 みなさんにお伝えせねばと思ったきっかけでもある。
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