ヨーロッパでは、過敏性腸症候群(以下、IBS)は一般的に筋向性痙攣抑制薬(例:ブチルスコポラミン)で治療される。
しかし発酵性オリゴ糖類、二糖類、単糖類、糖アルコール(FODMAP)ダイエットが著しい改善をもたらすことが徐々に明らかになりつつある。
今回の研究ではアプリケーションを用いてIBS患者がFODMAP制限食を摂取するよう促し、その影響を調査した。
- 募集されたIBS患者は、薬物治療(1日3回、40mg)またはFODMAPダイエットのどちらかを行うよう割り当てられた。
- 8週間治療を継続し、24週間Follow upされた。
- すべての患者でIBS症状重症度スコアと改善があった患者の割合を比較した。また、治療の有効性、生活の質、不安、うつ症状、身体症状の重症度(患者健康アンケート(PHQ15、PHQ9))、治療順守を評価し、応答の予測因子を分析した。
- 459人のIBS患者(平均年齢41±15歳、女性76%)が集まった。
- 8週後に改善があった患者の割合は、ダイエット群が薬物治療群よりも有意に高かった
FODMAPダイエットした患者は71%(155/218人)が改善
薬物治療をした患者は61%(133/217人)が改善した。
- FODMAPダイエットによる症状の改善は、4週後も継続しており(62%(132/213人))、その後も改善した状態が継続していた。
- 特に女性がFODPADダイエットで改善する割合が高い結果となった
IBS患者では、FODMAPダイエットが症状改善において薬物治療よりも優れていた。
IBSの第一選択治療としてFODMAPダイエットが今後は考慮されるべきである。
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