過敏性腸症候群では薬より食事改善が有効

さくらだ
さくらだ

過敏性腸症候群をご存知でしょうか。

検査で異常が見つからないのにお腹を下しやすかったり、逆にずっと便秘気味だったり、お腹がガスで常に張っていたりするような病態を指します。

おもに薬物治療が行われるのですが近年外国では食事療法に注目が集まっています。

中でもFODMAPと称される食べ物たちがこれらの過敏性腸症候群を悪化させているのではないかと考えられています。

今回これらを制限した食事の効果を薬と比較した研究を紹介します。

                              田辺三菱製薬HPより引用      ※画像クリックでHPにとべます

過敏性腸症候群に対する薬物治療と食事の研究〜DOMINO study〜

論文のまとめ
  • 近年、過敏性腸症候群にFODMAPの摂取を制限することが治療につながることが明らかになってきた。
  • 今回の研究ではふだん治療に使用されている内服薬とFODMAPダイエットを比較してその効果を検討している
  • 過敏性腸症候群の患者を集めて2つのグループに分け、薬物治療を8週間行う群とFODMAPダイエットを8週間行う群に分けて症状がどうなったかを追った
  • 結果として薬物治療よりFODMAPダイエットを行った人の方が改善する人が10%多かった
論文要約

ヨーロッパでは、過敏性腸症候群(以下、IBS)は一般的に筋向性痙攣抑制薬(例:ブチルスコポラミン)で治療される。

しかし発酵性オリゴ糖類、二糖類、単糖類、糖アルコール(FODMAP)ダイエットが著しい改善をもたらすことが徐々に明らかになりつつある。

今回の研究ではアプリケーションを用いてIBS患者がFODMAP制限食を摂取するよう促し、その影響を調査した。

  • 募集されたIBS患者は、薬物治療(1日3回、40mg)またはFODMAPダイエットのどちらかを行うよう割り当てられた。
  • 8週間治療を継続し、24週間Follow upされた。
  • すべての患者でIBS症状重症度スコアと改善があった患者の割合を比較した。また、治療の有効性、生活の質、不安、うつ症状、身体症状の重症度(患者健康アンケート(PHQ15、PHQ9))、治療順守を評価し、応答の予測因子を分析した。

  • 459人のIBS患者(平均年齢41±15歳、女性76%)が集まった。
  • 8週後に改善があった患者の割合は、ダイエット群が薬物治療群よりも有意に高かった
    FODMAPダイエットした患者は71%(155/218人)が改善
    薬物治療をした患者は61%(133/217人)が改善した。
  • FODMAPダイエットによる症状の改善は、4週後も継続しており(62%(132/213人))、その後も改善した状態が継続していた。
  • 特に女性がFODPADダイエットで改善する割合が高い結果となった

IBS患者では、FODMAPダイエットが症状改善において薬物治療よりも優れていた。
IBSの第一選択治療としてFODMAPダイエットが今後は考慮されるべきである。

さくらだ
さくらだ

FODMAPを過剰に制限することは良くありませんが、多めに摂っている人は少し減らすことをおすすめします。

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