地中海風の食事は骨折を防ぐ

• 閉経後の女性は骨粗鬆症のリスクが高いことが知られている
• 骨粗鬆症は大腿骨近位部骨折のリスクを高めるが、この骨折は一部の癌よりも予後が悪い
• 地中海沿岸では骨粗鬆症の人が少ない
• 地中海風の食事で骨折を減らせるのではないかというのが本研究
• 閉経後の50歳〜79歳の女性 90014人 を対象とした研究
• 結果として地中海食をたくさん摂取していた人は約20％リスクを減少させていた
• 地中海食の特徴はオリーブ油と魚を比較的多く摂取する点

骨粗鬆症性骨折は高齢化社会における大きな問題である。
特に閉経後の女性は骨粗鬆症のリスクが高いことがよく知られている。
骨粗鬆症と食事に関する研究は多いが結局のところ何が良いかは意見が一致していない。
（一般的にはタンパク質、 カルシウム、不飽和脂肪酸などが良いとされている）
地中海沿岸では北欧諸国に比べ骨粗鬆症の患者が少ないことが知られており効果があるのではないかと注目された。
伝統的な地中海食では植物性食品、魚、ナッツ、不飽和脂肪酸など骨に良いとされるものを多く含んでいるからである。

本研究の目的
閉経後女性の大規模集団において、食事のパターンと骨折の関連を調べること

1993年10月1日から1998年12月31日まで、米国内の40の臨床施設で登録された閉経後女性における罹患および死亡の重要な原因の指標と自然歴を調査したデータベース（WHI-US）を使用し50〜79歳の女性93676人を抽出。
そこから極端なエネルギー摂取をしているもの（600 kcal/day未満 or 5000 kcal/day超）を除外し90014人を解析した。

比較した食事の種類は下記の通り

1. 地中海食（aMED）：
2. 健康的な食事指標2010（HEI-2010）
3. 代替版健康的な食事指標2010（AHEI-2010）
4. 高血圧予防食（DASH）

これらの食事で共通する点：野菜、果物、植物性タンパク質、全粒粉の摂取を推奨
地中海食に特徴的な点：オリーブ油で植物性蛋白を摂取すること＆魚を多く摂取すること

地中海食を多く摂取している人は最も摂取していない人と比べて
股関節骨折のリスクを20％低下させていた。