
眠剤として有名なベンゾジアゼピン系
基本的に長期使用をしない方が良い薬なのに
クリニックなどでずっと処方されているケースをよく見かけます。
ただの睡眠導入剤として認識されている方もいますがその副作用に関してもよく知っておく必要があります。
高齢者においては特に死亡率とも相関しますので注意してください。

ベンゾジアゼピンの不要な処方を減らすために

- 医師は不安や不眠症、うつ病の治療薬としてベンゾジアゼピン系薬剤を処方することがある
- 基本的には短期使用すべき薬剤であるが処方医の知識不足により漫然と長期処方されているケースがある。
- ベンゾジアゼピンは副作用が強く、特に高齢者においては死亡率の増加と関連する
- 本研究では処方する医師への教育、フィードバックを行うことでベンゾジアゼピンの処方を減らすことを目的としている
- 結果、処方数を減少させることに成功した。
ベンゾジアゼピン系薬剤は不安や不眠症の治療、またはうつ病の治療の補助として処方される。
基本的には短期使用を推奨されている。なぜなら、長期使用は耐性と依存を引き起こし、多くの副作用を引き起こすからだ。
眠気、昼間の眠さ、記憶の混乱、転倒による骨折のリスクの増加、そして自動車事故を起こしやすくなる。
他の研究では、長期使用と死亡率との関連性について懸念されている。
特に高齢者にとって、長期使用は不適切である。
しかし、多くの医師がベンゾジアゼピンを過剰処方し、慢性使用されている。
最新のスペインの健康調査によると、平均して10%の人々がベンゾジアゼピンを摂取していることが報告されている。
本研究(BENZORED第IV相試験)は、処方医に対して教育とフィードバックを行い、不要な処方を減らすことを目的としている。
2016年9月から2018年5月まで、スペインの3つの地区(バレアレス諸島、カタルーニャ、バレンシア自治州の主要保健センター)で行われた。
700人の処方医を対象に、ベンゾジアゼピンの処方についての教育とフィードバックを行い
12か月後の処方量を比較した。
また、長期使用者(≥6か月)の割合と65歳以上の長期使用者の割合も比較した。
12か月後、教育とフィードバックを受けた医師はベンゾジアゼピン処方量が減少していた。
教育とフィードバックを受けた医師を受診した患者では長期使用者や65歳以上の長期使用者の割合も減少していた。
処方医を対象としたベンゾジアゼピン処方に対する教育、フィードバックは、処方の統計的に有意な減少と長期使用者の減少をもたらした。
このプログラムの大規模な実施が多くの患者の健康にプラスの影響を与える可能性がある。

この研究からは不要な処方がずっと続けられているケースが多いことがわかります。
基本的にベンゾジアゼピンを長期で処方することは推奨されていません。
日本でこのことを知らずにずっと処方している医師も見かけます。
もし長く処方され続けている方は一度かかりつけの医師に
減量や中止を提案してみるのも良いのかなと思います。
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